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  • 不動産屋の気になるNEWS! 賃貸のLPガス料金国が是正方針 関係ない設備費用の上乗せ禁止へ



         


    賃貸のLPガス料金国が是正方針
    関係ない設備費用の上乗せ禁止へ!



    トラブルも多いプロパンガスの商慣習にメス

     経済産業省は7月24日の有識者会議でアパートやマンションなどの賃貸集合住宅のLPガス料金について、ガス供給と関係のない設備を設置した際の設置費用を利用者のガス料金に上乗せして請求する、いわゆるプロパンガススキームを禁止する方針を固めたと発表しました。

    業界内ではLPガス会社が契約獲得のため、賃貸集合住宅の給湯器やガス関連設備のみならず、エアコンなども無償で設置し料金に上乗せして回収する商慣行があり、料金の不透明さや供給会社を切り替える際の規制、また都市ガスと比較して割高なことなどが長年問題となっており、全国の消費生活センターにはLPガス料金に関する苦情や相談が毎年2千件も寄せられているそうです。

    そのような実態を踏まえ、来春までに関係省令を改正、令和9年度の施行を目指し、また実効性の確保に向けて違反した場合には販売業者への立ち入り調査や登録取り消しの他、30万円以下の罰金を科すことができる罰則規定も新設するとのことです。

     新制度ではLPガスの料金をボンベなど供給設備の費用や点検・検診費用などの固定費を「基本料金」、原料費や配送費など使用量に応じて発生する「従量料金」、ガス警報器の貸与など個別の契約に基づき発生する「設備料金」として算定根拠を利用者に通知することなどを義務付け、中でも設備料金についてはエアコン、ウォシュレット、インターホンなどLPガスの利用と無関係な設備費の計上は禁止となります。

    また個別にLPガス会社との契約ができない賃貸集合住宅では給湯器や配管はオーナーが設置し、家賃で徴収するものとして規定し、設備料金には認めない事も明示され、新料金体制となると月々の料金が数千円程度安くなる可能性もあるとのことで、利用者にとってより納得感のある料金体制となりそうです。


    LPガス会社による「無償貸与契約」の仕組み
    LPガス会社は賃貸物件のオーナーとの間で「無償貸与契約」を結び、設備を無償で提供します。無償で提供されたオーナーは当該物件のLPガス供給をこのLPガス供給会社と指定することでこの無償貸与契約が成立します。一見LPガス会社がこの設備費用を負担しているように見えますが、実際にはこの費用をLPガス利用者(入居者)に上乗せして回収するという仕組みです。また、無償貸与機関は10年~15年として回収することが多く、途中で供給会社を切り替えた場合、残存価格の一括支払いが必要になるため、携帯電話ではないですが、実質的に「縛り」が発生し、入居者は切り替えもできず、知らずに上乗せされた費用を払い続けるという事になります。

    当初の無償貸与設備はガス配管や給湯器くらいでしたが、乱立するLPガス販売会社の過熱競争により、ガスコンロ、エアコン、インターホン、温水洗浄便座、洗面台など無償貸与の設備の幅がどんどん広がっていきました。オーナーは自身の負担も無く、設備の刷新もできることから喜んで契約しどんどん広がっていきましたが、入居者から「前の部屋よりガス代が2倍になった!」などのクレームとなったり、ネットの口コミなどで〇〇ガスは高いから契約してはダメという情報共有などが広がり、結果的に退去や入居離れに繋がってしまうなど、得したと思っていたオーナーもかえってマイナスを招くことにも繋がりかねません。もちろんすべての賃貸物件がこのスキームを利用しているという事ではありませんが、タダより高いものはないと言ったところでしょうか。

    LPガスの健全な料金体系に期待
    LPガスは都市ガス供給の少ない地方を中心に全国の約4割に当たる約2,200万世帯が利用しているそうで、当社の営業エリア内でもLPガスを利用しなければならない物件がありますが、新居探しの際にLPガスは高いから都市ガスの物件を紹介して欲しいというお客様も多く、物件選びの際のネックとなってしまうこともあります。

    一方で東日本大震災では、都市ガスの復旧に数カ月かかったのに対して、LPガス供給は1~2週間で再会できたと聞きます。また溶接工場や中華料理店などの高火力を必要とする飲食店などではカロリーの高いLPガスをあえて使うこともあります。液化しやすく効率の良い運搬が可能であるLPガスにも多くのメリットがあります。

    いずれにしてもLPガスの料金体制が変われば物件選びの幅もより広がるなど、より満足度の高い住まい選びにも繋がるのではないかと思いますので、今後の動向に期待と注力をしていきたいと思います。



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