突然ですが、皆さんは「遺言書」を書いたことがありますか?
「まだ元気だし、自分にはまだ必要ないかな」
「家族仲が良いから、遺言書なんてなくても大丈夫」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
私自身もそう思っていました。
ところが今回、人生で初めて遺言書を書いてみることにしました。
せっかく書くなら、どうせならきちんと有効なものを残したい。
でも、自分で書いた遺言書が本当に正しいのかは分かりません。
そこで今回は、相続や不動産について日頃からお世話になっている、
八王子ひまわりパートナーズの弁護士・大山先生に、
私が実際に作成した遺言書をチェックしていただきました。
すると……いきなり「これはアウトです」と指摘されることに。
今回は、実際のやり取りを通して、遺言書を書くときに知っておきたいポイントをご紹介します!
目次
遺言書がない場合、基本的には残された相続人同士で話し合い、
誰がどの財産を取得するのかを決めることになります。
「うちは家族仲が良いから、揉めることはない」と思っていても、
将来のことは誰にも分かりません。
例えば、相続が発生したときに、
・配偶者が介護や施設費用などで多額のお金を必要としている
・子どもの一人が病気になり、医療費が必要になっている
・子どもの一人が仕事を失い、収入が減っている
など、家族それぞれの状況が変わっている可能性があります。
今は仲の良い家族でも、財産の分け方を話し合うことで意見が対立してしまうこともあります。
遺言書を作成しておけば、基本的には遺言者の意思に沿って相続手続きを進められるため、
残された家族の負担を減らすことにもつながります。
今回、まず先生に教えていただいたのが、遺言書を作成する際に準備しておきたいものです。
自筆で作成する場合は、基本的に筆記用具と用紙、印鑑を用意します。
用紙については、特別な便箋などである必要はなく、サイズや紙質にも特別な制限はありません。
また、財産を正確に把握するため、以下のような書類も整理しておくと遺言書を作成しやすくなります。
・不動産の登記事項証明書
・預貯金の通帳
・財産の一覧
・相続人の情報
特に重要なのは、「誰に」「どの財産を」残すのかを明確にすることです。
私が最初に作った遺言書は、なんとパソコンで作成したものでした。
「字を書くのが苦手だから、パソコンで作ればいいだろう」と思っていたのですが……。
先生からは、すぐに「アウトですね」との指摘が。
自筆証書遺言の場合、原則として遺言の本文を本人が自筆する必要があります。
ただし、財産目録については一定の要件のもとでパソコンなどで作成することができます。
つまり、「全部パソコンで作って印刷すればOK」というわけではありません。
私もここで早速、勘違いしていたことが分かりました。
続いて指摘されたのが、日付です。
私が書いた日付は「令和8年7月吉日」。
これも先生から「アウトです」と言われてしまいました。
自筆証書遺言では、具体的な日付を記載する必要があります。
「令和8年7月○日」のように、いつ作成した遺言なのかが明確に分かるようにすることが重要です。
さらに、書き間違えた場合にも注意が必要です。
自筆証書遺言の訂正には法律上の方式が定められているため、
修正液などで簡単に直すことはできません。
間違えてしまった場合は、最初から書き直したほうが安心です。
遺言書には署名・押印も必要です。
では、印鑑は実印でなければいけないのでしょうか?
先生によると、必ずしも実印である必要はなく、認印でも可能です。
ただし、大切な遺言書だからこそ、後々のトラブルを避けるためにも、
本人が確実に作成したことを示せるよう、慎重に印鑑を選ぶことが大切です。
「指で押す拇印でもいいの?」という質問にも答えていただきました。
拇印でも有効となる場合はありますが、
亡くなった後に本人が押したものかどうかを確認することが難しくなる可能性があります。
そのため、先生からは、できるだけ確実な方法で残すことをおすすめしていただきました。
次にチェックしていただいたのが、財産を「誰に渡すのか」という部分です。
私が書いたのは、「長男にお願いします」という内容。
これも、実は曖昧な表現になってしまいます。
「お願いします」では、財産を相続させるのか、
それとも何かをお願いしているだけなのか、解釈の余地が出てしまいます。
そこで重要なのが、誰に、何を、どうするのかを明確に書くこと。
例えば、不動産を特定の相続人に相続させたい場合には、誰のことなのかが明確になるよう、
氏名だけでなく続柄や生年月日なども含めて記載することが大切です。
「長男」「長女」といった続柄だけではなく、
第三者が見ても誰なのか特定できるようにしておくことがポイントです。
遺言書には、財産の分け方だけでなく、家族へのメッセージを残すこともできます。
それが「付言事項」です。
例えば、
「今まで家族には本当に感謝しています」
「これからも家族仲良く暮らしてください」
「この財産はこんなことに使ってほしい」
など、自分の気持ちや、なぜこのような財産の分け方にしたのかという理由を書くことができます。
付言事項は、法的な相続の指定そのものではありませんが、
残された家族に自分の思いを伝える大切なメッセージになります。
実際に私も書いてみると、これまでの家族とのことを思い出し、
「あれも書きたい、これも伝えたい」と、いろいろな気持ちが出てきました。
短い文章でも構いません。
最後に自分の言葉で家族への思いを残しておくことは、
遺言書を作る大きな意味の一つかもしれません。
せっかく遺言書を書いても、誰にも存在を知られていなければ、
相続が発生したときに見つけてもらえない可能性があります。
そのため、遺言書を作成したことや、どこに保管しているのかを、
信頼できる家族などに伝えておくことも大切です。
特に、実際に財産を受け取る方など、責任を持って保管・手続きをしてくれる人に預けておくという方法もあります。
「書いたら終わり」ではなく、いざというときにきちんと発見してもらえるようにしておくことも考えておきたいポイントです。
今回、大山先生に教えていただいたのが、「公正証書遺言」です。
自分で作成する自筆証書遺言は、費用をかけずに作成できる一方、
方式を間違えると無効になってしまうリスクがあります。
一方、公正証書遺言は、公証人が関与して作成するため、
遺言の方式や内容について確認を受けながら作成できます。
その分、手数料がかかることや、予約が必要になるといった点があります。
先生によると、公証役場が混み合っていて、予約がすぐに取れないこともあるそうです。
そのため、まずは自分自身の考えを整理して自筆の遺言書を作成し、
専門家にチェックしてもらったうえで、
最終的に公正証書遺言を作成するという方法もおすすめとのことでした。
今回、実際に遺言書を書いてみて感じたのは、
遺言書は「亡くなる直前に書くもの」ではなく、
元気なうちに自分の意思を整理しておくものだということです。
財産を誰に残したいのか。
家族に何を伝えたいのか。
自分がいなくなった後、家族にどんな風に暮らしてほしいのか。
遺言書を書くことは、財産の整理だけではなく、
自分自身の人生や家族について改めて考えるきっかけにもなります。
「まだ早い」と思っている方も、一度、自分の財産や家族のことを整理してみてはいかがでしょうか。
今回の動画では、私が実際に書いた遺言書を大山先生にチェックしていただきながら、
間違いやすいポイントを分かりやすく解説しています。
「自分で書いた遺言書、これで本当に大丈夫?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ動画もご覧ください!
※本記事・動画は遺言・相続に関する一般的な情報を紹介するもので、個別の法律相談・法的助言を目的とするものではありません。実際に遺言書を作成する際は、最新の法令を確認のうえ、弁護士・司法書士・公証人などの専門家へご相談ください。
「自分の土地は評価が下がる条件に当てはまるのかな?」
「相続した物件を活用するか、売却するか迷っている」
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