不動産屋の気になるNEWS! 2022年10月号 『区分所有法制見直しを諮問』 Vol.2不動産屋の気になるNEWS! 2022年10月号 『区分所有法制見直しを諮問』 Vol.2 | センチュリー21グローバルホーム


  • 不動産屋の気になるNEWS! 2022年10月号 『区分所有法制見直しを諮問』 Vol.2








    不動産屋の気になるNEWS! 2022年10月号 『区分所有法制見直しを諮問』 Vol.1

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    検討の三本柱は「再生」「管理」「被災建物再生」

     
     法改正に向けた論点は大きく分けると次の3点となります。
    ①    区分所有建物の再生の円滑化を図る方策
      建て替えを円滑化する仕組みや区分所有関係の解消・再生をするための新たな仕組みづくり
    ②    区分所有建物の管理の円滑化を図る方策
      集会の決議や共用部分の変更決議を円滑化したり、管理に特化した財産管理制度や管理の円滑化に資する新たな仕         組みづくり
    ③ 被災区分所有建物の再生の円滑化を図る方策
      建替え・建物敷地売却決議等の多数決要件の緩和、大規模一部滅失時の決議可能期間の延長

     「再生」という点で最初に上がるのは建替え要件の緩和です。現行法では区分所有者の5分の4以上の賛成という建て替え決議が必要となりますが、この5分の4以上というハードルを単純に引き下げる案や、例えば耐震不足など一定の客観的な要件を満たした場合は多数決割合を全員合意で緩和するなどの案と並行して共用部分等の変更に必要な4分の3以上の賛成決議との調整なども合わせて検討がされています。
    また、建て替え決議がされた場合に専有部分に賃貸借契約が締結されていた場合、その契約を円滑に終了させる案なども検討されています。建て替え決議がされても賃借権は存続するため、建て替え工事の実施に支障が出ることもあり、例えば決議から6ヵ月以内に賃貸借契約が終了する案や、補償金による賃借権消滅請求を可能にしたり、更新拒絶通知や解約を申し入れる際の借地借家法による正当事由に関する規律を不適用とする案などが検討されています。
     ただし、これらは少数反対者の利益や権利の保護も含めた慎重な議論が必要になると思います。
     「管理」の観点からは集会決議一般の円滑化がポイントです。建物の管理は管理組合が決議で意思決定を行いますが、現行法では不明区分所有者等は反対者として扱われて必要賛成数を得られないこともある為、母数から除外する案や出席者による多数決で決議を可能にするなどが議論されています。また合わせて所有者不明で管理不全状態にある区分所有建物に特化した財産管理制度を創設し、管理の方策や区分所有者が負うべき債務についても検討されています。
    「被災建物の再生」についても現行法では建て替え等の要件が厳しい上に、その決議期間が1年以内と短い事などから緩和を含めた方策を検討し、敷地の一括売却や取り壊し、リノベーションなどを円滑に可能にする方策などが検討されています。
    様々な観点から充実した審議と早期の法制化を期待します。







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