不動産会社の相場の調べ方・レインズの機能/家を売るという事(不動産コラムVol.62) | センチュリー21グローバルホーム


  • 不動産会社の相場の調べ方・レインズの機能/家を売るという事(不動産コラムVol.62)




     

    前回は一般の方でもできる相場の調べ方をご紹介しましたが、プロが入手できる情報とはどうしても差があります。

    今回は、不動産会社がどのように相場を調べているのか、プロが使う「レインズ」の仕組みや査定の実態、そして信頼できる不動産会社の選び方について解説します。

     

    ①プロが使う「レインズ(REINS)」と情報格差

    不動産会社が「取引事例比較法」などで物件を査定する際、必ずといっていいほど利用するのが指定流通機構の「レインズ(REINS)」です。

    レインズは、「情報を公開して不動産取引を円滑にしよう」という目的で作られたオンラインシステムで、宅地建物取引業者のみが閲覧できます。
    どの会社がどの物件を売り出しているのかはもちろん、実際にいくらで取引されたのかという「成約価格」まで確認することができます。
    基本的に不動産会社は、この成約価格を参考に査定を行っています。

    不動産会社はみな同じデータベースを見ていますが、一般の消費者には非公開であるため、プロと消費者の間に大きな「情報格差」が生じています。
    どのようなビジネスでも情報の差はあるものですが、不動産は取引金額が非常に大きいため、情報格差による消費者の不利益が顕著に現れやすい分野です。
    だからこそ、売主様ご自身が知識を身につけ、ある程度の相場観を持っておくことが自己防衛として欠かせません。

     

    ②一般公開システム「レインズ・マーケット・インフォメーション」の現実

    このような情報格差を回避するため、2007年よりレインズの成約事例の一部を一般向けに公開するシステム「レインズ・マーケット・インフォメーション」が運用されています。

    しかし、プロが見る本来のレインズとは異なり、正確な住所やマンション名などが特定できない仕様となっています。

    ご自身の所有物件や検討中の物件と完全に同じ条件で比較することが難しいため、残念ながらさほど利用されていないのが現実です。

     

    ③レインズの機能と同じマンションでも査定価格に差が出る理由

    レインズでは、主に以下の2つのデータを確認できます。

    1. 過去の成約事例:実際に成約した年月日と価格(直近1年間の実績など)
    2. 現在売り出されている事例:周辺で今いくらで売りに出されているか(現在の市場観)

    多くの不動産会社は成約事例を重視し、「1年前に似た部屋が4,000万円で売れている。そこから1年経っているから3,800万円前後だろう」といった調整(時点修正)を行いながら査定額を算出します。

    一般的に、マンションは一戸建てや土地と比べて条件の揃った部屋が多く、事例が豊富にあるため査定価格に差が出にくいと言われています。

    しかし実際の現場では、総戸数200戸超・築10年ほどで成約・売出事例が多数あるマンションであっても、10社に査定を依頼したところ500万円以上の開きが出たケースがあります。

    同じデータを見ていても、どの事例を重視し、どう補正をかけるかという査定基準や算出根拠は不動産会社や担当者によって大きく異なるのです。

     

    ④事例をオープンにしてくれる会社を選ぼう

    本来あるべき姿は、不動産会社が売主様にデータをしっかり提示し、「過去にこの価格で成約しており、現在は似た物件がこの価格で売り出されています。ですから査定額はこのあたりになります」と、情報を共有しながら一緒に売却方針を考えていくことです。

    しかし現実には、レインズの存在を知る売主様が「事例をもっと見せてほしい」と要望しても、開示を渋る会社が少なくありません。

    「顧客が知らない情報を持っていること」自体を自社の財産と考え、すべて開示してしまうと自社を頼る価値が下がってしまうと考えているためです。

    しかし、インターネットで誰もが情報を探せる現代において、「情報を持っていること」だけの価値は薄れています。
    今求められているのは、情報を透明にしたうえで、お客様に寄り添った質の高い提案ができるかという「本質的な実力」です。

    査定時に成約事例や売出事例を包み隠さず共有してくれるかどうかで、その会社が本当に信頼できるパートナーか見極めることができます。事例を出し惜しみする不動産会社には、慎重に対応しましょう。

     

    不動産売却を成功させるためには、不動産会社任せにするのではなく、正しい相場データを共有しながら二人三脚で進められる会社を選ぶことが重要です。

    査定をご依頼される際は、ぜひ「どんな根拠に基づいてその査定額になったのか」を担当者に確認してみてください。

     

     

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